
宮城県の公立高校入試制度と内申点について
中学最初の定期テストで高得点を目指そう!
内申点とは
受験生一人ひとりの中学校の成績や学校生活をまとめたものが内申書(調査書)です。中学校の先生が作成して、受験する高校に提出します。この内申書の「各学科の学習の記録」の欄に記載される成績が「内申点」で、高校入試の合否判定の資料になります。
中学1年最初の定期テストの成績から高校入試に影響
「中学3年になってから受験勉強頑張ろう」と考えている生徒さんも多いかと思いますが、それでは希望する学校への合格が難しくなることがあります。
宮城県の高校入試は中学1年生からの成績が「内申点」として合否に影響するので、中学最初の定期テストでしっかりとした点数をとることが重要です。
宮城県の公立高校入試制度(共通選抜と特色選抜)
共通選抜
学力検査点と調査書点の相関図を基に、両方の満点から近い者を上位者として、上位の者から審査し、選抜します。
合計195点
●調査書点(195点満点)
5教科(国語、数学、社会、英語、理科)については、3年間の評定の合計
4教科(音楽、美術、保健体育、技術、家庭科)については、3年間の評定の合計 × 2倍
●学力検査点(500点満点)
5教科の学力検査点(各教科100点満点)の合計点
◆学力検査点と調査書点の比重は、下記の表のように各高校が学科ごとに設定します。
学力検査店と調査書点の
合格領域

調査書点と学力検査点の比重

【ポイント①】
共通選抜にあたる後期選抜では、ほとんどの学校で調査書点の占める割合が3〜4割です。
→新しい入試選抜でも調査書点が合否を大きく左右します。
特色選抜
特色選抜では、学力検査点、調査書点、面接、実技、作文の得点を合計し、その合計点に調査書の記載事項も用いて総合的に審査し、選抜します。審査対象者は、特色選抜の募集人数の120%から最大200%までの間で、各高校が定めます。
●調査書点(195満点)
各教科・各学年の評定を、各高校が定めた換算率によって算出します。
●学力検査点(500点満点)
5教科の学力検査得点を、各高校が教科ごとに定めた換算率によって算出します。
●面接・実技・作文
面接、実技、作文の配点については、各高校が定めます。
【ポイント②】
特色選抜でも調査書点・学力検査点の両方を見られる。
仙台一高と仙台二高では、合計695点のうち調査書点が195点も占めています。宮城一高普通科のように、特色選抜になると内申点の割合が高くなる(770点満点中270点)高校もあります。
調査書点の重要性
調査書点は、中学1~3年生までの3年間の「学年評定」から算出されます。
例)仙台一高の場合
仙台一高の調査点は【共通選抜】【特色選抜】ともに195点満点
調査点の計算方法
3年間の国数英理社5教科の評定合計
(5教科x5点x3年間=75点)
=75点満点
3年間実技4教科の評定合計
(4教科x5点x3年間=60点)
x2=120点満点
調査点195点満点
特色選抜の場合
学力検査:500点,調査点:195点
合計695点満点となります。
仙台一高合格者の調査点平均179点(平均4.6)
シミュレーション
AさんとBさん(3年生時で同じ成績の二人が仙台一高を特色選抜で受験した場合)
Aさん
1年生の時あまり熱心に勉強していなくて「3」が多く、3年生 になってから受験を意識し、塾に通い始めた。実技も1・2年生の時はそこまで力を入れていなかった。

Aさん
評点平均約4.0 調査点156点
Bさん
1年生のころから、塾に通い定期テストでいい点数をとり、授業にも集中し宿題などの提出物も期限を守り提出した。また、実技も1・2年生の時から力を入れていた。

Bさん
評点平均約4.5 調査点176点
中学3年生の段階では成績は一緒ですが【調査点】を計算してみると・・・
その20点差を本試験の学力検査で挽回するのはとても難しい。
どちらの選抜方法でも内申点(調査書点)が大事です!!
「3年生になってから頑張ればいい」と考えている生徒さんもいるでしょうが、それでは希望する学校に進学することは難しくなることがあります。調査書点は高校を受験する前に決まる点数で、ナンバースクールに合格している生徒の調査書点の合格平均は約175~180点ほどです。これを5段階の評定平均に換算すると4.5~4.6ほどで、非常に高い点数です。
中学3年間の9教科の成績を具体的に計算してみると、安易に評定を落とすことはできません。
中学3年の受験時に、調査書点が低い場合、当日の学力検査で非常に高い点数を取らなければならず、希望する高校への進学が難しくなります。
調査書点は中学の1年から意識し取っていく点数です。1年生の時から毎回の定期テストをしっかり頑張り、希望の高校に進学できるように調査諸点を確保していきましょう。